Interview開発ものがたり

込めた想い

「Pプラス」・「Pスタディ」の開発にはたくさんの想いが込められています。
商品開発に関わった4人の物語をご紹介します。

時代を先取りした「P検」のさらにその先へ

私たちは現在、「P検 ICTプロフィシエンシー検定(以降、「P検」)」の開発・運用を行ってきています。「P検」はワープロソフトや表計算ソフトを中心に、コンピュータの活用能力を広範に問う検定試験で、コンピュータを使って働くのが当たり前になる時代を見越して開発したものでした。

当時としては先進的な「P検」ですが、時代はさらに進み、混沌とした社会情勢の中で、どのように生きていくのかを自らの意思で選び取る時代がやってきました。このような時代においては、すでにあるソフトウェアを上手に活用するだけでなく、的確に獲得した情報を適切に読み取り、自分なりに考えて新たな価値を創造する力が必要になります。具体的には、プログラミングやデータサイエンスなどを含む、情報活用力が必須となったのです。

こうした背景から、「P検」の発展的後継版として「Pプラス デジタル・情報活用力テスト(以降、「Pプラス」)」を企画・開発しました。「Pプラス」は、これからの時代に求められる、情報活用力や問題解決力をしっかりと問うテストにしました。これらの力は、数値化が難しい、複合的な力です。しかし、テスト形式にするからには問題の信頼性・妥当性を欠くわけにはいかず、問題作りには苦心しました。コロナ禍で準備や調整が難航した時期もありましたが、2022年度より正式リリースします。

内容拡充だけでは負担増。多忙な先生をサポートしたい

「Pプラス」を開発する際には、現場の先生方の声を直接聞くことにこだわりました。その開発姿勢は「Pスタディ デジタル・情報活用力学習プログラム(以降、「Pスタディ」)」にも共通しており、先生方のお困りごとを少しでも解決できたらという一心で制作を進めています。

先生方の声を聞く中で見えてきたのは、多くの先生が授業準備に困られていること。先生方は非常にお忙しく、クラス運営や部活動等のほか、昨今は新型コロナウイルス対策やGIGAスクール構想(※)の対応など、多方面の業務に携わりながら、わずかな時間の合間を縫って授業研究を行われているのです。また、情報科には予想以上に兼任の先生が多く、「授業準備が大変」という声も多く寄せられました。※文部科学省が推進する、1人1台端末と高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備し資質・能力が一層確実に育成できる教育環境を実現する構想のこと。

私はかねてより「情報科の充実」に大きな期待を抱いており、さまざまなプロジェクトに携わってきました。しかし、昨今の先生の労働環境を鑑みれば、単に「内容を充実させたい」と希望するだけでは、実現が難しいのではないかと思いました。それならば、「Pスタディ」という教材をご提供し、情報科の準備を少しだけショートカットしていただけないかと。また、子ども達が興味深く学べる、学習環境の構築に役立てていただけるのではないかと考えました。

待ったなしの社会変革に向け、子ども達に希望を託して

人口減少社会において 、1人ひとりの生産性を上げ、創造性を発揮できる社会へと変革していくのは喫緊の課題です。「Pプラス」「Pスタディ」には、未来を生きる子ども達が確かな情報活用力を身につけられるよう、さまざまな工夫が凝らされています。テストである「Pプラス」では、現在の力が客観的に測れるように。そして、教材である「Pスタディ」では、数値化しづらい部分の力(学びに向かう力、課題に気づく力、議論を深める力など)が身につけられるように、細心の注意を払って開発いたしました。

かつて、Windows95、MacOSなどのOSやMicrosoft ExcelやWordが登場したとき、日本のビジネスシーンは大きく変わったように感じました。そして今、情報活用力を身につけた子ども達が大人になる頃には、再び社会が大きく変わることでしょう。そうした時代に向け、「Pプラス」「Pスタディ」が少しでも学びのサポートになれば嬉しく思います。そして、情報活用力の習得を通じて子ども達が「自分のアイディアが実現できた!」と感じ、自己肯定感を抱いてくれるようになればと願っています。

こぼれ話

嬉しかったのは、先生から「生徒の新たな一面を発見できました」と聞いたとき。
他の教科はちょっぴりニガテな子が、「Pプラス」ではめざましい結果を残してくれたそうです。
「教材を通して子どもの魅力に光を当てられた」という声が、
責任ある仕事をやり遂げるモチベーションになりました。

※ここに記載されている内容、所属等は2021年9月1日時点のものです。

Episode | Sugasaki Naoko"